伝説のキーボード 「SG-26800-2VC」を試す ~ 一部で評価の高い希少メンブレン

まあこう見えて、僕ってキーボードへのこだわりは結構強く。

個人的には、NEC-PC9821付属のメンブレンキーボードと、Fujitsu C/40L付属のメンブレンキーボードが一番打ちやすくて丁度いいなーって思ってたりするんですが。

でも、PC98のキーボードは、当然USBでもなければ、PS/2でもないので使えないし、C/40L付属キーボードは、なんと壊れてしまって一部キーが反応せず…
C/40L付属キーボードは分解して、接点修復剤で接点掃除してみても治らず、更に余計に動作しないキーが増えてしまう始末…

で、理想のキーボード探しがまた始まってしまうわけですが

最近のメンブレンときたら、値段の安さとか、軽量さとか、静粛性とか、そういうのにフォーカスしすぎてて質が悪い!
鉄板も入ってないから打つ度に振動とひずみが酷いせいで酔う。うち心地もペコペコで打った気がしない。全般的に気持ちが悪いんです。

かと言って、メカニカルキーボード。
手がでかく重いので黒軸にしたんですが…
打鍵感はいいんですけど、反応点が浅く、半押し状態でも反応してしまうため、ミスタイプが増加。
やっぱり自分にはメンブレンキーボードしか無いなと。

ある日、PC98のキーボードの写真と「これが最高のキーボードだ!」的な事書いて投稿しておいたら、Twitterの相互フォロワーさんが、「SG-26800-2VC」が打鍵感がよく似ている、と教えてくださいました。

手持ちのPC-9821のキーボード

PC98後期のメンブレンキーボードは、程よい反発力とキーストロークの深さ、またキーの感覚と高さが非常にちょうどよく、これこそまさに理想のキーボードって感じだったので、それに似ているとすればさぞ最高のキーボードであろうと期待。

どうやら、NECのサーバー機の付属品らしく一般販売はされてないのだとか。
オークションを根気よく見て回って出品を待つ必要がりました。

で、オークションを見るも…高い。5,000円位しました。高い。
そりゃ新品のメカニカルよりは安いけど…着ぐるみ代金支払ったあとなので金欠で手が出なく。

まあそれからしばらくして、存在忘れながら日々過ごしてるわけなんですけど

ある日ふと覗いてみたら、3,500円で出品されてる!
即入札ですね。入札と言うか、即決価格で落札なんですけど。もう3人位ウォッチリストに入れてたのかな?だから急いで。

で、届いたわけなんですが。

前置き長くなりましたね。レビューでもしましょうか。

SG-26800-2VCってどんな感じ?

タイピング時の感覚

まずは、タイピング音の感覚。比較的こもった感じの音になっており、メカニカルようなカチャカチャした音とは違います。
昔ながらの、「これぞキーボード」っていう感じの音がします。

音声上げときます。

反発力に関しては、PC-9821のキーボードに比べるとやや弱いかなと言った程度。
ただ、PC-9821のキーボードは非常に古く、倉庫に放置されていた期間も長いため、経年劣化でラバードームが硬化してしまってるのもあるかもしれません。

打鍵感は昔ながらのメンブレンキーボードっていう感じで、程よく、深くなるほど強くなる反発力を備えます。
ストン、と落ちる感触も今のメンブレンのような不快感のある感触ではありません。
Escキーだけ、若干反発力強めに作られてます。PC98のSTOPキーもそこだけ固く作れれてたなぁなんて懐かしい感じがします(笑)

さて、外観の方に参りましょう〜

外観

上が当該キーボード、SG-26800-2VC、下がPC-9821のキーボード、CMP-6A1V7
Shiftキーの感じとかよく似てますね。

外観は、シンプルで飾りっ気のないこれまた「まさにキーボード」っていう感じの外観です。事務機みたいな感じがしますね。(サーバー付属品だから当然か…)
修飾キーとかの色が灰色、文字キーが白、という昔ながらのデザインがいい感じ。

続いて裏側参りましょう

裏返すと、USBポートが2つも付いてます。
ここに、マウスやペンタブを接続するのもいいですね。1つではなく、2つも付いているというのが嬉しいところ。USBポートを節約できます。

また、USBケーブルは底面の溝に挟み込むことで、左右好きな方向に逃すことができます。PC本体が左右どちらにあっても、机がかさばりません。

特に何もないので、構造的な所行きましょうか。

構造的な所

続いて構造。と言っても、分解するわけでもないのであまり期待もせずに(笑)

メンブレンキーボードにもかかわらず軸が付いてます。よく見るとラバードームが黄色い。

キートップを外してみました。

ご覧のように、メンブレンキーボードにもかかわらず軸が付いてます。
基盤シート、ラバードーム、軸、キートップといった感じに乗っかっているようですね。

この軸、ラバードームが完全に押しこまれる前に軸が底に触れ、それ以上押し込まれないような構造になっているようです。これによりメンブレン特有の不快感をなくしています。

比較用にごく一般的なメンブレンキーボード。
どれも直接キートップがラバードームを押し込む仕組みになっており、このような軸ありのメンブレンキーボードは珍しいことが分かります。

余談なのですが、PC-9821のキーボード、CMP-6A1V7も、同一の構造を持ちます。

ホコリたかってるのは気にしないで

色こそ違えど、構造は同じです。

ちなみにですが、同じ構造なのでお互いキートップを移植できます(笑)

外観に飽きたら、移植してみてはいかがでしょうか(?)

キートップの比較。ほとんど同じ形状ですね。

裏側はこのように軸を挟み込む爪が付いています。

…そろそろネタ尽きたので終わっていいですか(笑) てか終わります。

終わりに

SG-26800-2VC、買ってからしばらく使ってみて、まあこのブログ記事も全部そのキーボードで書いてるわけなんですが、なかなか打ちやすいキーボードだと思いました。
個人的には、もう少し反発力が欲しいな、といったところではありますが、それでも黒軸メカニカルや現在の一般的なメンブレンキーボードよりはずっと打ちやすいと感じました。
ストロークの深さがメカニカルのように深くちょうどよく、それでいて反応点も深いので誤字の回数が格段に減り、かつ安く臭いメンブレンのようなたわみや不快感はなく、良質な感じがします。

このキーボード、実はミネベアミツミ製らしく、良質さには納得です。
今となっては、あのミネベアミツミもなんとキーボードの生産をやめてしまい、今はCool Leafとか言う医療用とかで使うフルフラットキーボードしか作っていないのだとか。もったいなさすぎますよね。
古くからPCメーカー向けにあらゆる周辺機器のOEM供給を行い、そしてOEM供給のキーボードは非常に良質で打ちやすく最高の文字入力を提供してきたあのミツミ電機が。今、なんと、メンブレンキーボードを作っていないと。これは最高にもったいない。技術はあったはずなのに、敢えてそれをやめてしまうっていうのはかなりもったいない。もし未だにミツミ電機がメンブレンキーボードの生産を続けていたら、間違いなく人気のあるキーボードになっていたと思うんですけどね。な〜んでやめちゃったんだか。もったいない。

話がずれましたが、SG-26800-2VCは、まとめると
・キーストロークが深い
・程よい反発力
・シンプルなデザイン
・カタカタとしたタイピング音

と言った感じかなと思います。

個人差はあると思いますが、
昔ながらのメンブレンキーボードが好きな方
にはピッタリじゃないかとは思います。

残念ながら、こちらのキーボードはNECのサーバー機の付属品なため、一般販売はされていません。よって、オークションサイト等で根気よく探す必要があります。
昔ながらのメンブレンキーボードがお好きな方は、ぜひ探して入手してみてはいかがでしょうか。

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